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水の選び方&使い方下

どう使う、どうすすめる 飲みたい水<下>

技術士(農業)星野 正美

高硬度の水はそのまま飲用、低めの硬度の水は幅広く応用

 水は、各商品の性質や使用目的によって、本来は使い分けをした方がいいと思われる。しかし、現在、市場に出ている商品の大半には、「どんな用途にも使えます」といった表示がされているのが実状だ。一体これでいいのだろうか、消費者は水を使いこなせるのだろうか。
 〈上〉では、水の特殊な構造を説明した。今回はそれを踏まえた上で、水の用途別使い分けについてまとめてみたい。水は、分子同士がくっついたり離れたりをくり返し、またその分子の籠の中にミネラル物質を取り込んで特殊状態をつくるといった、うつろいやすい性質をもつ。そのため、水は一側面からのみ判断できず、扱いがたいへんむずかしいのだ。
 そのひとつが殺菌法で、これに関しては〈上〉でもまとめたが、おさらいの意味もこめてもう一度触れておきたい。
高硬度の水は、身体に有用なミネラルが多く含まれているため、健康を意識して飲用されることが多い。だが、加熱するなどの大きなエネルギーを加えると、ミネラルと水分子の結合が破壊されてしまい、水そのものの性質が変化してしまう(詳しくは〈上〉参照)。しかも、加熱すると含有カルシウムが溶けにくくなり、ジャリジャリして飲み心地が悪くなる。だから、高硬度の水は加熱処理には適さないのだ。
 一方、低硬度の水は、もともと含有ミネラルが少ないだけに、加熱処理をしてもさほど影響はないようだ。炭酸ガスは多少抜けてしまうが(ある程度含まれていた方がおいしく飲める)、それとて微量である。味の違いも冷やして飲めば実際にはほとんど分からない程度のもの。低硬度の水が多く、しかも加熱処理による殺菌が大勢を占めている日本にとって、これはありがたいことともいえるだろう。


たかが水でも使い分けがベター

 水を使い分ける際、いちばんわかりやすいポイントになるのは、硬度である。もちろん、硬度だけでなく、含有ミネラル成分の微妙なバランスで風味は変わってくるのだが、大きな傾向はわかる。それにもかかわらず、商品ラベルに硬度が明記されているものは思いのほか少ない。こういったあたり、どうも売る側の使い分けに対する商品知識が欠落しているように思われてならないのだ。  それでは以下、主な用途についてまとめていこう。
 まず飲用は、何のために飲むのかによって違ってくる。飲み慣れた、いわゆる日本人にとっておいしく感じる水を飲みたいのなら、低硬度の水。そして、健康を意識して飲みたいのなら、高硬度の水。薬事法により、ミネラルウォーター商品に「健康のために有効な水」とは記載できないが、硬度が高い水が身体にいいことは事象として明らかだ。
 しかし、水から発せられるエネルギーはあくまで微弱なので、飲んだからといってすぐにその効果が表われるわけではない。また、水だけに頼ってミネラルを摂取しようとするのも好ましくない。なぜなら、ミネラルには、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどの身体にとって多量に必要なものと、銅、鉄、マンガン、亜鉛などの微量ミネラルとがあるからだ。微量ミネラルは、その言葉どおり、微量しか摂取すべきでないもので、多量に摂取すると、後々、ミネラル過剰症になって、ホルモンバランスが崩れたり、味覚異常になったりする可能性もある。要は、水には余計な効果を期待しないことだ。
 コーヒーは、ブレンドの具合によってもずいぶん違ってくるが、一般家庭で使うには、中程度の硬度の水が無難だろう。だが、鉄分については、コーヒーのタンニンと結合して味を悪くするので、少ない方が望ましい。
 紅茶は、繊細な風味を味わいたい場合には、ごく低めの硬度の水を使いたい。だが、ミルクティーをいれる時は、高めの硬度の水を使うと、色が濃くでて、牛乳と混ざり合った時にちょうどいいミルクブラウン色になる。イギリスでミルクティーがよく飲まれるのは、イギリスの水が硬水だからともいわれているくらいなのだ。しかし、色が濃くでるわりには、味や香りの方はそれほどよくはないようだ(下の写真参照)。

硬度によってこんなに違う紅茶色
硬度約25(右)と硬度約300(左)の水で、同じ紅茶の葉を使い、同じ条件でいれてみた。色は明らかに違い、高硬度ではどす黒いような濃い色、低硬度では薄いが明るく澄んだ色にでた。だが思いのほか、香りや味には差が感じられず、高硬度の方は風味が乏しく、かえって低硬渡の方がおいしいと思わられた。

 煎茶には、硬度30〜45くらいが最適。これ以下では味も香りも薄くなる。ほうじ茶には、硬度20〜40くらい。これ以下では薄すぎ、また以上では濃くなる。抹茶は、硬度40〜95くらいまでと、わりと高めの方がいい。(参照下記表)

 なお、紅茶、煎茶などには、概して硬度が低めの水を使った方がいい。なぜなら、カルシウムやマグネシウムは、お茶の重要な成分であるタンニンの溶出を悪くしてしまうからだ。
 ウイスキーの水割りには、一般的には低硬度の水が適しているだろう。特に品質のいいウイスキーには、せっかくのその風味をじゃましないような水がいい。だが逆に、並の品質だったり、熟成の浅いものには、硬度が高めの水で風味をフォローすることもできる。
 料理のダシをとるには、低硬度の水が適している。高硬度の水でダシをとると、風味が濃くでるにはでるのだが、不必要な雑味も引き出してしまうので、日本料理など繊細さを追求する料理には、特に適さないといえる。逆に、とにかくグッと濃くダシをとりたいような時には、高硬度の水を使ってもおもしろいかもしれない。
 製氷には、低硬度の水を使うと、カリン!と透明感のある固い氷ができる。これは、水の結晶化をじゃまするミネラルが少なく、均一に結晶ができるからだ。また、冷やして飲むのには、低硬度の水を使うと、ピーンと張りつめたような清涼感が得られる。
 酒造用水は、ある程度の硬度があり、菌の発酵や植物の生育には効果を発揮することが事象として明らかだが、必ずしも飲んでおいしいとは限らないものが多いようだ。
 以上、ミネラルウォーターの使い分けについてまとめてみたが、これはあくまで一応の目安であることを忘れないでほしい。あとは皆さんが、自分が売る水をどうアピールして売りたいかによって、各自研究されたい。

お茶ひとつとっても水は使い分ける価値あり
丸久小山園は、元禄年間より宇治でお茶の製造販売を営む老舗。今回は、硬度5〜450くら いまでのミネラルウォーター20アイテムを使い、煎茶、ほうじ茶、抹茶に分けて、同社のお茶 鑑定人5人が飲み比べた。評価は味、香り、色あいについてそれぞれ比較、バランスを重視 した。味は各人の好みがあるので一概にはいえないが、大きな傾向はみえた。
【煎茶】
100gl,000円の高級茶で、渋みが控えめなものを使用。味、香りともよくでたのは、硬度30〜40くらい。これ以下の硬度では、味も香りも薄す100gl太郎(硬度42)はトータルでみてもっともおいしくでた。六甲のおいしい水(同83)と山崎の天然水(同95)は無難。エビアン(同300)はドロッと濃くでるが、独自の味わいがあった。ボルヴィック(同50)は白く濁った。
【ほうじ茶】
100g500円のものを使用。硬度が低いと香りや色が薄すぎ、酸味がでた。逆に硬度が高いと、濃くでてしまった。ほうじ茶は独特の爽快さが身上なので、あまり濃くでるとよさが発揮できないのだ。おいしくでたのは、硬度22〜40くらい。
 摩周の霧水(同23)は薄めだがいい味がでた。太郎日光のけっこう水(同42)は無難。六甲の自然水(同46)は煎茶には適していたが若干苦みがでた。六甲のおいしい水は強くですぎた。総じて、煎茶に比べ硬度が低くてもおいしく飲めた。
【抹茶】
40gl,500円のものを使用。硬度が低いと味も香りも色も薄く、高くなるにしたがって色は明らかに青くなった。よかったのは硬度40〜95くらいまでと幅広いが、概して高めの方がいい ようだ。おいしくでたのは、日光のけっこう水六甲のおいしい水山崎の天然水はまずまず無難だった。


消費者への情報伝達がカギ

 市販の水商品には、いわゆるミネラルウォーターの他にもいろいろな種類のものがでている。そのひとつに、ブームにまでなったアルカリイオン水がある。その効果には、酸味のきついコーヒーをアルカリイオン水でいれると、酸がアルカリで中和されておいしくなるなどがある。だが、たとえアルカリイオン水といっても、レモン汁(強い酸性を示す)を加えると、中和されてアルカリ性ではなくなってしまうのだ。
 こういった知識は、果たして消費者にきちんと伝えられているだろうか。商品がもっているよさが十分に発揮されるよう、消費者に使ってもらうためには、販売者側からの情報が必要だ。
 ミネラルウォーターは、近年知名度が上がっているわりには、消費者にはその本当のよさや使い方が理解されていないのが実状と思われる。だからこそ、売場の販売員が使い分け方をよく知っていてお客にアドバイスできれば、販売チャンスはおのずと広がるだろう。メーカー側でも、自社商品の知識と、他社と差別化できるアピール点をきちんと認識していれば、卸先を増やすことも十分可能であろう。
 そのほとんどが小規模の会社によって販売されているミネラルウォーターだが、味や成分をとってみると、決して大メーカーに劣っているとはいえない。ならば、独自の研究とアピールによる差別化で販売したものの勝ちと思うのだが、いかがなものだろうか。水市場はまだ大きくなる可能性を秘めている。
  参考文献:早川光著『 ミネラルウォーターで生まれ変わる』

硬度別ミネラルウォーターの一覧
(表中の数字はメーカーあるいは輸入もとの提供です。’92.12月時点作成)
硬度1〜30未満硬度30〜50未満硬度50〜100未満硬度100以上

硬度1〜30未満
銘柄 硬度 販売元 連絡先
純粋SOBU 27 (株)巽やフーズ 0798-40-0523
摩周の霧水 23 ホクレン農業協同組合連合会 011-222-3054
鳥海山氷河水 22 八幡町役場 0234-64-3111
名水きょうごく 18 北海道ミネラルウォーター(株) 0120-42-3554
ピュアーズ 1 (有)つくも 022-528-7991
龍神の自然水 13 (財)龍神村開発公社 0739-78-0141
大清水源水 22 (株)ジェイアール高崎商事 0273-23-7534
いわまの甜水 22 (株)近江ミネラルウォーター
      サービス
0775-37-3350
バラッサ・カナディアン 2 (株)ぬ利彦 現在不明
英彦山の水 11 九州旅客鉄道(株) 052-203-5371
甲斐の水 26 (有)エイチツーオー 03-3724-4727
白竜水 22 (有)田治米鉱泉所 08473-4-0836
アルプス精水 22 五洲薬品(株) 0764-24-2661
能勢山水 22 能勢酒造 0727-37-0636
スパ 14 日本酒造販売(株) 03-3273-1752
富士のお山の隠し水 19 牧野酒造合資会社 0544-58-1188
屋久島縄文水 6 南日本酪農協同(株) 0986-23-3456
羊蹄山の湧き水
   カムイワッカ
19 合同酒精(株) 03-3575-2741
清峰水 13 大阪保証牛乳(株) 0720-47-2521
奥出雲の銘水 16 ジェイアール西日本商事(株) 06-885-1192
あぶくまの天然水 28 滝根町役場 0247-78-2111
加茂の銘水 16 おたふくソース(株) 082-277-7115
カツナス 14 (株)東京アスレティッククラブ 03-3384-2131
塩釜の水 19 蒜山酪農協同組合 0867-66-3645
バイキング 10 (株)ケン・エンタープライズ 078-322-2872
穂高の天然水 25 東京コカ・コーラボトリング(株) 03-3453-7311
深山の清水 9 (株)吉田ふるさと村 0854-74-0500
カナディアンブルー 5 (株)ダイヤクリエイティブ 03-3768-9982
越後のめい水 19 諸橋酒造(株) 0258-52-1151
鳥海山自然水 23 天寿酒造(株) 0184-55-3165
四万十の源水 16 (株)トサカン 08875-5-4402
宮水 26 (株)一馬本店 0835-22-0018
ノルウォーター 29 重松貿易(株) 06-231-6286
湯治場の水 10 日本鉱泉飲料(株) 03-5687-6366

硬度30〜50未満
銘柄 硬度 販売元 連絡先
南アルプスの天然水 30 サントリー お客様相談室0120-13931
富士山麓の自然水 44 合同酒精 03-3575-2741
御前水 33 笹一酒造 0554-25-2111
六甲の自然水 46 白鶴酒造 078-822-8903
秋吉台湧水 42 兜沍エ鉱泉研究所 0834-21-8710
月山自然水 32 西川町総合開発 0237-74-2100
秩父原流水 40 (有)秩父ミネラルウォーター 0494-54-3031
日光のけっこう水 42 (有)けっこう漬本舗 0288-21-1487
天霊水 31 潟Rスキー 052-221-8520
太郎 42 ニコマート 03-5600-7611
四万十の水紀行 30 土佐くろしお旅行サービス 0880-35-5240
キーウィブルー 34 潟tジプレスインターナショナル 03-3233-2971
那須高原の自然水 37 カゴメ 03-3861-7620
天の真名井 39 淀江町役場 0859-56-3111
ごっくん 44 (合)小松屋 096-293-3271
おたる山水 38 北海道ワイン 0134-34-2181
マトーネ 46 泉州健康センター 0724-23-1126
カナダクールスプリング 42 ノーザン・パシフィック・トレーディング 03-3292-0050
日本の自然水 39 UCC上島珈琲 03-3274-5679
地下三千尺 36 日本酪農協同 0725-41-7111
非常災害用保存飲料水 40 東洋水産 03-3458-5275
安曇山水 40 キリンビバレッジ 03-3292-5503
サンベルンバルド 34 日欧商事 03-3582-1490

硬度50〜100未満
銘柄 硬度 販売元 連絡先
富士ミネラルウォーター 75 堀内合名会社 03-3370-3357
山崎の天然水 95 サントリー(株) お客様相談室0120-13931
ボルヴィック 50 ペリエ ジャポン(株) 03-3408-8321
氷室 53 JA池川町 0889-34-2311
天恵の泉 100 竜ヶ岩洞 0535-43-0108
六甲のおいしい水 83 ハウス食品工業(株) 03-3243-1231
富士桂の水 59 明星食品(株) 03-3470-1679
奥飛騨の天然水 75 タカナシ乳業(株) 045-364-5812
龍泉洞地底湖の水 83 (社)岩泉町産業開発公社 0194-22-4432
ミネラル白山 78 (株)アポロン商事 0762-48-2231
南アルプスの鹿鳴水 99 大鹿村農協農産加工所 0265-39-2761
きよ泉 51 久須美酒造(株) 0258-74-3101
関平鉱泉 110 牧園町営関平鉱泉販売所 0995-78-2355
霧島裂罅水 68 霧島酒造 0986-22-2323
ダウンタウン 89 東京カルピスビバレッジ 03-5423-5431
郡上八幡の湧水 56 郡上八幡観光協会 05756-7-0277
黒岳の水 83 九州乳業(株) 0975-43-4131
早池峰麗水カ 76 佐々長醸造合資会社 0198-42-2311
八幡平の水 88 岩手飲料(株) 0196-52-3111
天下甘露水 55 吉乃川(株) 1258-35-3000
樹氷の雫 73 (株)小嶋総本店 0238-23-4848

硬度100以上
銘柄 硬度 販売元 連絡先
ヴィッテル 649 (株)丸紅(輸入元) 03-3282-4634
エビアン 300 カルピス食品工業(株) 03-3463-2111
ポンポン 133 (株)ポンポン 092-481-0347
フォンテ・リンピア 200 カゴメ(株) 03-3861-7620
アポリナリス 638 (株)東食 03-3245-2734
きりしま 101 きりしまコーポレーション(株) 0724-31-4419
サンシャインシャワー 210 (株)自然食品センター本店 03-3932-2310
コウヤ
ミネラルウォーター
105 コウヤミネラルフーズ 0721-63-2085
神戸ウォーター 135 (株)神戸ワイン 078-991-3911
金剛山の湧水 105 (株)アクアピア 0729-73-3333
NAYA 200 森村商事(株) 03-3502-6430
江戸古香井の銘水 110 藤田物産(株) 03-3433-1201
美し水 126 (株)ポッカコーポレーション 03-3552-4670
マウンテン・
   バレー・ウォーター
176 キリンビバレッジ(株) 03-3292-5503
ファリス 200 (株)ピボットインジャパン 03-3262-0511
信玄 150 (株)源泉館 03-3410-8801
トニースタイナー
日本トニースタイナー(株) 0734-26-1155



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