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コレステロールの話 その1

血清コレステロール値を正常に保つために

From Dr.Y.I/平成7年6月23日

 最近、コレステロールを気にする人が増えているようだ。人間ドッグ等でコレステロール値が高いと指摘される人も少なくない。また、本来、成人病と無縁であるはずの子供のコレステロール値が高くなっていることも懸念されている。では、コレステロールはなぜ高くなるのか、高いとなぜいけないのか、正常に保つためにはどうすべきかを考えてみよう。

 一般に血清コレステロールの正常値は150〜220mg/dlと定められている。この範囲より、高すぎても低すぎても良くない。コレステロールは私達が生きていく上で必要不可欠な物質である。私達の体は細胞からできているが、コレステロールはこの細胞膜を構成する重要な物質である。また、ホルモンの材料となったり、脂肪や脂溶性ビタミンの消化吸収に必要な胆汁酸の材料となる。

 血液中には大雑把にわけると低密度リポ蛋白質(LDL)と高密度リポ蛋白質(HDL)がある。それぞれにコレステロールが含まれるが、LDLはコレステロールを末梢組織に運搬し、HDLは末梢組織のコレステロールを肝臓に運搬する。一般にコレステロール値が高いというのはこのLDLコレステロールが多くなり過ぎている状態を示している。このLDLコレステロールが多くなり過ぎるとコレステロールが動脈壁に沈着し、血管の弾力性が失われ、血液の流れが悪くなる動脈硬化とよばれる状態になる。この動脈度硬化が心臓に栄養や酸素を供給する冠動脈に発生すると恐ろしい心筋梗塞等を引き起こすことになる。逆にHDLコレステロールは動脈硬化に対し予防的に働く。そのためLDLコレステロールを悪玉、HDLこてステロールを善玉とよんだりする。反対にコレステロール値が低すぎると、今度は血管がもろくなり、脳出血などを起こすことになる。

 コレステロールは食物中から吸収される他、自らの体内でも合成している。その一方で胆汁酸やその他のかたちで体外に排泄されている。食物中から吸収されるコレステロールが増加すれば合成を抑制したり、排泄を促進したりして体内のコレステロールの量を一定に保つ精巧なメカニズムが存在する。一般に年齢とともに血清コレステロール値は高くなることが知られている。歳をとるとコレステロールの分解、排泄といった調節機能も衰え始める。このような時期にコレステロールの供給量が若い時と同じであれば血中に蓄積されていくことは容易に想像される。

 では血清コレステロール値を正常に保つためにはどうしたらよいのだろうか。コレステロール値には食生活が大きく影響する。まず考えられるのはコレステロールそのものの摂取量の問題である。摂取量が多く、調節機能が追いつかない状態が続けば血清コレステロール値は増加すると考えられる。しかし、食事からのコレステロール摂取が血清コレステロール値を上昇させ、健康を脅かすということについては多くの論争があり、不明の点もある。少なくとも現在、正常範囲にある人はあまり取り過ぎないように心掛けてさえいれば、気にし過ぎる必要はなさそうだ。

 二つめは脂肪の摂取量である。脂肪の摂取量が増えると血清コレステロール値が増加することが知られている。厚生省の実施している国民栄養調査によれば、日本人の脂肪摂取量は年々増加し、カロリー比で適正比率の25%を超えている。脂肪分は取り過ぎにならないように注意が必要である。また、脂肪に含まれる脂肪酸の種類によって血清コレステロール値が変化することも知られている。動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸にはコレステロール値を上昇させ、逆に大豆油や菜種油のような植物性油脂および魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸はLDLコレステロールを低下させるが同時にHDLコレステロールも低下させてしまう。多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸の比は1〜2にするのがよいとされている。

 三つ目は食物繊維である。ペクチン等の食物繊維はコレステロールを低下させる作用がある。作用機作は繊維の種類によって異なるが、コレステロールの吸収を阻害したり、排泄を促進したりすることが考えられている。これらの食物繊維は1日20〜30gの摂取が推奨されている。

 このほか、摂取エネルギーを制限すればコレステロール値が下がることが知られている。しかし、健康維持に必要な栄養素を十分に確保しながら摂取エネルギーを抑えるのは簡単なことではない。

 食生活以外の生活習慣もコレステロール値に影響することが知られている。マラソン等持久型のスポーツを行うとHDLコレステロール値が増加し好ましいとされている。また、喫煙はLDLコレステロールを増加させHDLコレステロールを低下させる傾向がある。さらにストレスも心筋梗塞等の虚血性心疾患を増加させると言われている。

 血清コレステロール値を正常に保つためには食生活に配慮するとともに、軽いジョギング、ウォーキング、テニス等で体を動かし、可能な限りストレスを溜めないことが必要なようだ。勿論タバコはやめるにこしたことはない。



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