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狂牛病の話

技術士(農業)星野 正美

 このところの不況に追い討ちをかけるように、狂牛病は食肉業界に大打撃を与えています。狂牛病は異常プリオンが原因とされています。そしてその異常プリオンは人間が食べると伝染して狂牛病にかかると考えられています。インターネットを利用している人はもうすでに沢山の知識を得られていることでしょう。牛肉は危険なのでしょうか?このホームページではこれらの情報に対する疑問と、それに対する技術士星野正美の個人見解を紹介します。
人の脳がスポンジ状になる病気は狂牛病だけなのでしょうか?
いいえ、狂牛病以外に、人間にも昔から脳が海綿状になる病気がありました。クロイツフェルト・ヤコブ病といわれるものですが、海綿状になる脳の部位に違いがあります。硬膜移植手術で感染した医療被害がでて有名になりました。その他にもニューギニアのクールーなど海綿状になる部位の異なるものがいくつかあります。狂牛病が人に伝染してかかるのを変異型ヤコブ病といいます。いずれも異常プリオンが原因で発病するようですが、なぜ異常プリオンが発生するのか、そしてそれがどうして伝染するのかはまだよく判っていません。
では狂牛病の牛を食べたら人間が変異型ヤコブ病になるというのは確かなことなのでしょうか。
はっきり言ってその確かさは100%ではありません。しかし現状では狂牛病の発生と患者の発生の関連状況から見て確かとされています。このようなことを裏付けるには実験で@「狂牛病の牛の脳から分離した異常プリオンが健康な人間に変異型ヤコブ病を起す」ことを証明しなければなりません。さらにA「変異型ヤコブ病の人間の脳から分離した異常プリオンが健康な牛を狂牛病にする」の証明も補足として考えられます。どちらも実験するには問題がありますので、実験用マウスを使って行うのです。@の実験は「健康な人間の代わりに人間型のプリオンをもったマウスを使う」Aの実験は「健康な牛の代わりにウシ型のプリオンをもったマウスを使う」のです。お分りのように@が重要なのですがまだ成功の報告はありません。現在Aの実験だけが成功して報告されています。それで変異型ヤコブ病は牛の狂牛病と同じ病原体とされているのです。なぜ@の実験成功の報告がないのでしょう。この病原性が牛のプリオンには伝染しやすく、人のプリオンには極めて伝染しにくいことが考えられるのではないでしょうか。
でも危険性があるなら牛肉や牛関連食品を食べないほうがよいのではありませんか。
 今、日本の皆さんがどれくらい変異型ヤコブ病にかかる危険性があるか考えてみましょう。
 まず、感染源とされる狂牛病の牛がどれくらい発生するかを考えます。日本へ輸入された英国肉骨粉が300〜600トンと判って大騒ぎしていますが、ドイツやフランスでは30,000トンも英国肉骨粉を輸入していたそうです。ドイツ、フランスの合計での狂牛病の発生は約1,000頭ですから日本では単純に計算して20頭程度の狂牛病の牛が発生することになります。
 次に狂牛病の牛20頭で変異型ヤコブ病の人が何人くらい発生するかを考えましょう。イギリスは150,000頭の狂牛病の牛が見つかり107人の変異型ヤコブ病の患者が見つかりました。この比率で行くと20頭の場合は0.01人ですから、患者の発生はほとんどゼロではありませんか。現在日本では1頭の狂牛病が発生していますがこれから新たな発生が見つかっても20頭程度ならばその予想範囲ですから驚くことではありません。もちろんこの病気は潜伏期間が長いのでイギリスでもこれから発症する人がでてくる事は考えられます。それと生前の検査ができないなどのことから簡単に計算できない面のあることを考えても十分小さい確率だと思います。
 今回の狂牛病が集中的にイギリスに発生したこと、さらにその後の措置によりヨーロッパでの狂牛病の牛の発生が治まりつつあることを考えれば、今回のような牛肉離れはパニックに陥ったための行き過ぎといえるのではありませんか。行政の施策は批判されながらも進んでいます。日本で牛肉を食べる上で、消費者が狂牛病の心配をする必要はなさそうです。度を越した怖がり方です。交通事故が怖いから車に乗らないどころではありません。交通事故が怖いから全く外出しないと言うようなものです。



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