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食と健康の話題
活性酸素の話 その2
技術士(農業)星野 正美
私たちは糖質や脂質などを体内で燃やして大きなエネルギーを得ています。この反応は私たちの体温で行われています。しかし、空気中から呼吸によって取り入れた酸素はおとなしく、高温加熱などで刺激しないと燃焼反応を起こしません。そこで常温でも反応する活性酸素にかえて利用するのです。体の中の電子伝達系の酵素が電子を1個与えるだけでおとなしい酸素が凶暴な活性酸素にかわります。これは生物が進化の過程で手に入れた体内の魔法の火でもあるのです。これでエネルギー源を燃やしたり、体内に侵入した細菌などを殺したり、毒物を酸化し無毒化したりできるのです。ただ体内のあちこちに飛び火して、火傷をおってしまうことも頻繁に起きます。それが老化現象やガンや成人病その他の病気の原因ともなります。それで私達生物はこの飛び火を防ぐ消火器としてスーパーオキシド除去酵素(SOD)を備えているのです。
参考文献:増山吉成著「悪玉酸素の陰謀」現代書林
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